通巻146号 知られざる日本とセルビアの野球交流
辰巳知行(国際協力専門家)インタビュー<前篇>

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■目次
- ●「マルクス・ゴール」とLocalism
「今日は一日”サッカー音楽”三昧 セカンドステージ」出演に寄せて - ●知られざる日本とセルビアの野球交流
辰巳知行(国際協力専門家)インタビュー<前篇> - ●U-14の国際大会を日本で開催する意義
Text by 船木渉(@watarufunaki 早稲田大学1年) - ●会員の皆さまの投書より
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第43回 EURO点描 2000年から2002年へ(3)
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知られざる日本とセルビアの野球交流
辰巳知行(国際協力専門家)インタビュー<前篇>
まずはこちらのニュース映像をご覧いただきたい。(参照)
セルビアの高校球児を日本に招待するプロジェクトについては、徹マガ通巻113号でお伝えした。今回はプロジェクトの発起人であり、国際協力専門家としてさまざまな紛争地帯での難しいミッションに取り組んできた、辰巳知行さんのインタビューを前後篇でお届けすることにしたい。
今年行われたWBCでオランダがベスト4に進出したのは記憶に新しいが、まだまだヨーロッパにおける野球人気は限定的である。セルビアに関して言えば、野球がそこそこ盛んなイタリアに近いスロベニアやクロアチアに比べて、競技人口や普及の度合いで遅れをとっている。それゆえ、かの国の球児たちが野球先進国の日本に遠征することは、非常に大きな意義があると辰巳さんは考え、この壮大なプロジェクトを立派に実現させた。
辰巳さんはJICAの一員として、2001年よりセルビアの首都ベオグラードで現地の野球の普及活動に従事。その後の赴任地であるイラクでも、おそらく同国初の野球チーム発足に尽力している。単なる物質的な援助だけではない、スポーツの喜びを地道に浸透させる辰巳さんの草の根的な国際貢献には、本当に驚かされると同時に、同世代の日本人として何とも頭が下がる想いである。
そんな辰巳さんも、1年ものイラクでの任務を終えて今年1月に無事に帰国。今は故郷の大阪で、セルビア人の奥さんとつかの間の休息を楽しんでいる。代表戦の取材で大阪を訪れた際に、ひさびさに旧交を温めつつ貴重なお話を伺うことができた。前篇の今回は、セルビア球児の日本遠征を中心に語っていただく。サッカーの話はほとんど出てこないが、それでも十分に楽しめる内容であることをお約束する。(取材日:2月7日)

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■イラクから帰ってきて「出所してきたような気分」
――イラクからの無事の帰還、本当にお疲れ様でした。何年くらいの任務だったのでしょうか?
辰巳 1年と1カ月です。コソボやセルビアでの任務に比べると期間としては短いものでしたが、実際には非常に長く感じられました。
――久々に日本に帰ってきて、どんなことを感じますか?
辰巳 やはり自由に街を歩けるのはいいですね。バグダッドでは「グリーン・ゾーン」と呼ばれる高い塀に囲われた空間で生活していたのですが、その中のさらに塀に囲われたところにわれわれの事務所はありました。ですので、街のカフェにもレストランにも行けないですし、そもそもバグダッドの街中を歩くことさえできませんでした。
――ずっと外に出られなかったんでしょうか?
辰巳 そうなんですよ。だから、出所してきたような気分です(笑)。厳密に言うと、プライベートでは出られませんが、仕事では出なければなりません。ただし防弾チョッキを着て、防弾車に乗って、武装したボディーガード付です。なので、こうやって街に出て普通にご飯を食べたり、いろんな人とお話できたりすることが、人間にとってすごく大事なんだなとあらためて感じています。
――現地で会う人も、かなり限られていたんですか?
辰巳 そうですね。基本的には支援機関の人たちと、イラク政府のプロジェクト関係者の方々のみという感じで、イラクの現地の方々と接する機会はほとんどなかったです。ただ、イラク北部のクルド地域にもJICAの出先事務所があるのですが、そこでは護衛さえつけていれば町中を歩くことはできました。バグダッドと比べると随分危険度が下がります。
――サダム・フセイン政権時代は、クルド人が相当迫害されたわけじゃないですか。毒ガスが撒かれたなんてニュースもありました。ところがイラク戦争が終わったら、クルド地域のほうが平和になっている。考えてみれば、ずい分と皮肉な話ですよね。バグダッドからクルド地域には、どのように移動するのでしょうか? 車ですか?
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